【パイロット版】カガコーHIGH SCHOOL ROCK現象【第13話】

2026年03月30日 00:00

「ここ、写真部と?」
「そうですけどw何お前w」
「キサマらここで何ばしよっとね」
「何ってwモンストwww」
「撮らんやつに用はなか、出てけ」
「は?w」
「俺はここをハリウッドにしに来たっちゃん、良かやろ、どけ」
「え、ちょちょちょちょwww何々々々wwwww」
「早ようどけっちゅうとるやろボンクラ」
「痛った!?テメェこの野郎!!!!」
「せからしか!!!!やる気のなか奴ぁ俺が今からぶちくらすぞ!!!!」
「ふざけんな!!!!!ポッと出が俺らの居場所取んじゃねえ!!!!!」
「俺をぶちのめして寝言こいてろ、勝ち気族!!!!!」



***



 殺伐。ここ、令和のアスファルトジャングルに佇むTOKYOのハイスクール。俺は松葉のように、トガっていた。手始めに、今から友達作りをしようなど回りくどいことはせんで、元ある部活を理想郷にすべく、襲撃をした!何故か?先人の遺した素晴らしき作品を追いながら、卒業までにそれらを超えるつもりであると言うのに、居場所がないからという女々しか理由で無駄なISUWARIをする連中がいたからだ。人気のない部活に寄生をする滑稽かつ生産性のない人間に用はない。この手でなぞなぞにしてやった。パンはパンでも食えらんパンは何か?コテンパンである。

「おい、なんか写真部にやべえのが来たらしいぞ」
「福岡から来てるんだって」
「うちの学校ってこんなでかいプロジェクターあるんだ」

 ぞろぞろと、群衆がまったく群衆たらしめている。俺は今、この部活を変えるべくポートフォリオをお見せするトコロ、である。そうに決まっている。撮らんのにおる奴には、用がない。しかしこの状況、撮りたい奴は俺しかいない。同胞を集めるには、俺の遍歴を見せるに越したことはない。もぬけの殻のクイモノにされてる場所であるこの部活をUREWと共に、俺はすれ違った人間にチラシを見せ、ここに集まった人間に自主制作映画の上映を行うことにした。地元の友人を動かした、派手な殺陣の連続。男共は齧り付いていた。



***



「なかなかいい画を撮るね、君」
「おう、キサマは分かってくれるか」
「特に、室見川の流れてる背でやってるのがアクションに対する青さがあっていいと僕は思うよ」
「家からちょっとチャリを漕いだところでな、友達と撮ったとよ。ばってん俺の高校にはそういう部活のなか、地元で燻るよりは思い切ってここに上がった」
「わざわざ東京に!?九州の方でも探したらあるような気がすると思ったけど」
「俺のやりたいことは地元だと卒業後にしかできらんとよ。然し、俺はこの高校生というまったく猛っているこの時期に全てを燃やし尽くした画を撮りたかったんよ」
「そうなんだ……」
「俺の親が、専修は高校やなかと言うけん。私立か公立だったらどこでも好きにしろと言うっちゃん、それで上がった訳や」
「行動力が凄まじいね。いや、いいよ。かなり」

 上映した後に俺に話しかけに来た、青い流し目で金髪の男。俺は後にこいつらの生き様をフィルムで収めることになる。今日はそれを決め打った日である。

「ところで、僕は軽音部をやっていて」
「軽音部か。やはり、ギターを弾くと?レノンみたく」
「あ〜、まぁ、そうかも。レノンか……ビートルズとか聴く?」
「今のは例えや。俺は、はっぴいえんどや村八分なんかを聴くっちゃんね」
「へえ!それなら自分の好きな曲のMVとか想像で撮って見たりするのも面白そうだと思うね」
「それはいくつかやっとる。興味あったらまた来い」
「あぁ、もちろん。……それで、写真部の君に頼みたいことがあって。ちゃんと対価は支払うから」
「何ね」
「明日、ライブを部室で行うからその写真を撮ってくれないかな?」
「易い。しかし、俺は安くなかとよ」
「そうだと思っていたよ。いくらで?」
「東京で上等なラーメンが食える場所を教えろ。系統は問わん」
「分かった。それじゃあまた明日」

 こいつが明日、凄まじく楽器を鳴らすのは誰が想像できようか。俺はこれから、対策の映画を作り上げるという使命の一方で、ここでは軽音部の一生を追う生き証人となるのである。



***



「おう、やっとるな」
「おはよう。来てくれてありがとう」
「先輩、その人は誰です?」
「おや、昨日の上映会に見に行っていないのかい?」
「普通に個人練でツインペダル詰めとったんで……」
「新しい写真部の…………そうだ、名前は」
「熊井でよか。キサマは?」
「僕は部長の渡瀬。この子、ドラムの仁川くん。他にも部員はあと4人いる。メンバーを取っかえ引っ変えしてコピバンとオリジナルをやる形式なんだ」
「なるほどな……」
「写真部ってことは僕らん事撮ってくれるんスか」
「もちろん。それもかっこよくね」
「マジすか、気合い入りますね」
「任せろ。俺が撮ってやる」
「それから、段取りなんだけど……」

 かくして、俺はこれからこの軽音部のライブというものを撮影するのだ!この時、まだ、高校2年生の時であった。俺は、その多感な時期にこの機会に触れることができたことに感謝している。

私立彁楽高校二年 熊井典秀

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