ミニアルバム「Develop」について

2026年08月24日 00:00

はじめに

星野ちゃんは普段からこういうことを自分で言わないけど、製作中は私に色々と曲についての物語とか、説明してくれた。ので、その人伝に聞いたことを私なりの解釈も交えて書いてみよう……と思った。思ったままに書いてるから読みづらさとかあるだろうけど、これを見てる時点でそれに同意したと思ってるから文句はなしな。

タイトルについて

これは元々、「現像」という名前で、最初のインストには別の名前が着く予定だった。だけど、レーベルと相談して「ここは敢えて、漢字で統一するよりも英題を貫いた方が良い」という結論に至った。私たち……というかソロ活動から始まったからもともと私は、シューゲイザーだのが好きで、部活でそれをやってみたかったから活動を始めたんだけど、気づけば残響系とかエモとかオルタナっていう風に寄ってった。で、それらはタイトルに……例えば、「告解」とか「回帰する呼吸」とか「円」とか「透明みたいだ」みたいな、何か、文学的かつ意味ありげなものを採用している。私たちのやってることってぶっちゃけ音楽的にはその辺のリバイバルに過ぎないんだけど、それらとは違う角度からアプローチをすることも確かに必要だと思って、「現像」を英訳して「Develop」にした。ジャケットの字は星野ちゃんが書いてる。あの子、字が丸くてかわいいでしょ。

収録場所について

新日本表現社スタジオっていう、レーベルのスタジオ。の、Aルームと、ブース1で収録した。使った機材についてはここでは割愛する。それだけで記事ができるから。部屋は4人バンドが一斉に合わせたりするのには十分な広さで、ドラムには細かくマイキングがされている。この辺は渡瀬慎也もバイトの給料から出資して買い足したとか言ってた。あいつもレーベルにお世話になってるもんな。DIYで広げたビルの地下室にしては割れずに録音できるのと、兼用で練習場所としても使えるので個人的にはよくやってると思う。Aルームでは主に全体の収録、ブース1は歌声を収録するために使った。基本的に、覚えた曲をそのままライブでやるように合わせる。で、その時に楽器だけいっぺんに収録して、後から歌を載せる感じだ。別に歌も同時に載せて良かったけど、こと音源に関しては歌の明瞭さも大事になるので今回は別録りをした。ミックスに関しては主宰と星野が話し合ったり、たまに出入りしてきた渡瀬の奴が口出ししたりなんかして、あの仕上がりになった。新日本表現社って、歌以外も聴かせようとしてくれるから、その辺に関しては信頼がある。聴いてみてほしい。

曲について

ここからは、私が星野ちゃんから聞いた事と、それについて私が考えたことを載せてるので、ここにあることが答えだとは限らないということを念頭に置いて欲しい。歌詞には色んな解釈があるし、曲にも色んな聴き方がある。ここでは、あくまで、私「志島奏」の見解を載せる。

1.現像

インスト曲だけど、これはフレーズに関しては全て星野が考えてきてて、感光へ繋げるための曲として用意した側面があるっつってた。デモはもっと、エレピの打ち込みだったんだけど、せっかくなら感光に合わせるためにチューニングとカポ位置を統一した。左から聴こえるハーモニクスは、時報をイメージしたって言ってた。時報は時間を告げる。時間を告げるとどうなる?何かが始まる。この場合は、このミニアルバムが始まるってことなんだろうな。

2.感光

前作からやってる曲なんだけど、この盤に収録されて新たな視点が見えてきた気がする。この曲は元々、「写真家の女の子と、その子が気になる男の子」のボーイミーツガールという触れ込みで星野ちゃんが書いたもの。だから、一貫してフィルムカメラの用語が出てきたりしている。結末は話してくれなかったから分かってないんだけど、多分、きっといい結末ではないと思う。それで、どうやら、タイトルだとか1曲目から察するに、この曲の出来事をより深く掘り下げたものが、このアルバムの全体の趣旨らしい。だからもうちょっと詳しく話すと、これは色のない空に佇む風景を、あの日見た憧れの人と一緒にフィルムに収めたもの、もしくは収めることその行為それ自体だと思う。フィルムの中に収まったらその次元に永久に残り続ける。例え被写体は生きていなくとも。それって自分勝手で、残酷で、それでいて、美しいと思う。痛みだけが頼りだとしても、見たいものだけを見ているって、つまりそういうことなんじゃないの?私はそう思うけど。実際はどうなんだろう。

3.慈愛

これは、明確に言ってたのが、「家族に向けた曲」らしい。普通、家族に曲を書いてってなったら、何を書く?私は親への感謝とか妹達にいつも言わないような想いを伝えたりとかして、綺麗なバラードを書くんだと思う。けど、家族っていう自分の人生における大部分を占める存在に対してこうやって書いてのける星野ちゃんには、正直自分もびっくりした。最初に見た時は、一片のパンとか柄杓の水とかで「また何か絵本からインスパイアされたのかな」とか思ったんだけど……何か、この曲における少女って誰の事なのかなとか思ってたのに、知りたくなかったっていう感情がそこに入ってきて、ゲロ吐きそうになってる。でも、最後の歌詞で、どうやら自分の中で決別ができてるみたいでよかった。……でも、昔のことについてはあんまり話したがらないから、私はそっとしている。その方が、星野ちゃんにとっても最善であるかもしれないから。私は綺麗さも醜さも、併せて星野ちゃんだと思ってるよ。余談っつーか、ふと思ったんだけど、忘れられた画用紙の中の風景って言葉が、ちょうど、この曲のアルバムに重なってる気がする。Develop。何を呼び起こせばいい?

4.映画

私は漫画とかアニメ全般はまあまあ好きでよく見てるんだけど、その中で星野ちゃんにも通じた作品があって。それって、結構古いシリーズものなんだよね。ほんと、白黒映画とかの頃からあるような。ルーニーテューンズとか分かる?そんくらいの時期のやつ。その頃に、隠れた名作っていうの?があって、それの話を書いたって。何か、画面がカラーになった新シリーズから好きな子がいなくなって寂しいっていうか、それをきっかけに見なくなったというか。で、白黒の頃の作品をVHSが擦り切れるまで見てたって言ってて。で、その好きだったその子の視点は、もしかしたらこうだったかも?みたいな話を書いたとか言ってた。……ってのを、収録の休憩中にしてたら、主宰が「その子に会ったことあるよ」とかふざけた寝言抜かすの。マジで。そんなさ、アニメのキャラに会うとか、ベタベタに手垢の着いたオタクの妄想すぎて信じらんねーって。……ちなみに、曲として今のところこれが気に入ってる。ギターが楽しいし、かっこいいし、ギターがポップだし。ポップか?……まあ、当社比ってやつ。ポップっていうか、割とバンドの中では珍しい仕掛け方をしてるよね。分かりやすくて。あの、あれ。アメリカンフットボールって渡瀬の好きなバンドがあるんだけどさ、あれがこないだ新譜を出してて。そん時に初期とは全然違うんだけど、それでも「ああ、アメフトっぽいな」って感じるのがあるんだって。なんか、そういうのも、この曲に感じて欲しい。……ああ、そうだ。歌詞を見たあとで、私が後からシャウトを入れたんだけど。あれは、「どこへ行くの?」「色は嫌い?」「気休めの、御伽噺を」って言ってる。……だって、そうじゃん。そのキャラクターだって置いてかれたし、置いてったやつにそう言われたのかなとか思ったりして。これはほんと、私の勝手な解釈だから、これがうっかりこのアニメの版元とかに見つかって「ちげーよ」とか言われたら、ここだけ書き直す必要があるから、頼むからどうか、そこだけは見逃してくれ。マジで。

5.揺籃

今更、この曲について何か説明するのって野暮な気がするんだけど。……なんだろう。これがバンドとして始まった時の最初の曲だから、私は星野ちゃんのことを変な疑いしてた時期があった。実際はそんなことなくて、ただ、私が勧めたピープルだとかキャブスとか、ひつわらとかにインスピレーションを受けて、それっぽく並べたみたいなことを言ってた。……そういえば、この辺のバンドってそういうのよく扱うよな。キャブスの「再生の風景」とか、アルバム通してモロじゃん。……良くないこと教えてる気持ちになっちゃった。いや、こんな音楽したいとか思ってる時点で例外じゃないんだけど。何か、あんま言いづらいんだけど、身篭った自分に信じられなくて、現実が嫌になったあまりに、自分の宗教(多分、この曲の中の子はキリストの子?)さえも手放しにしたくて、そうしたみたいな。それで彫刻の頬にナイフで線を切りつけた、って風じゃないのかな。で、受け入れられなくて堕ろした子供の無念の歌に繋がるっていうか。そういう歌だと思う。こんな重い主題から始まったバンドだから、初めてのライブの時もあんまり歌詞の評判は良くなかった。渡瀬とか榎本とかはすげーいいっつってくれてたけど。で、もっと分かりやすくかつ予感がするのを扱いたくて感光とか作ったんだっけ。……まあ、兎にも角にも、この曲が全ての始まりだけど、このアルバムだとラストになってる。empty EP.の時からめちゃくちゃ変わってるしかっこよくなってるから、その頃から聴いてるファンにも是非聴いて欲しい。

さいごに

私たちは、来月からリリースツアーを行う。私個人としては、今はもう星野ちゃんのバンドだからあんまり目立った立場では言えないけど(だからブログを勝手に借りてるし)、でも、ただひとつ言えるのは、星野ちゃんがこの先どんな所へ向かっても、私はそれに着いていく。今はとりあえず、ツアーの無事成功。empty EP.の頃も何だかんだ無事に終わらせることができたから、今回もきっと出来ると思う。これを見てる人が誰でどんなツラ下げてんのか知らないけど、これを見てるってことは、私たちのことを応援してるんだって思ってる。だから、私は、私たちは、それに際限なく応えたい。その目でしっかりと見てろよ。

私立彁楽高校三年 志島奏

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